「ひめゆり」鎮魂と、未来の平和を願い、祈る日|ミュージカル座は新しい国産ミュージカルの創造と普及を目的に、1995年に創立した劇団です。今を生きる人とミュージカルの感動を分かち合うために歩みを続けています。オリジナル・ミュージカルなら!!

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「ひめゆり」鎮魂と、未来の平和を願い、祈る日

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ひめゆり
Category: ひめゆり | 2015.06.02
「ひめゆり」鎮魂と、未来の平和を願い、祈る日

初演より、かな役で連続出演を続けている梅沢明恵さん。「ひめゆり」の全てを知り尽くしている彼女は、ハマナカトオルの演出助手としても大きな力を発揮しています。ミュージカル座公演に、とくに「ひめゆり」には欠かせないメンバーの一人。

梅沢明恵
「回数を重ねて来て、最近では、出演者に「ひめゆり」を観たことがある人が増えたなあという印象です。皆さんが、この作品にそれぞれ思いを持って出演されていることを嬉しく思います。初演から携わっている者としては、ちょっと不思議な気持ちでもあります。自分の中では、やっぱり舞台芸術学院の卒業公演で、ハマナカ先生とビリー先生が、初めてこの作品を創った時(1994年)が出発点ですね。稽古中にハマナカ先生が、ちょこちょこその時の話をするんですが、それが分かるのが自分だけになっちゃったなあと・・・。今でも忘れられないのは、通し稽古の時に、元ひめゆり学徒の方がいらっしゃって、稽古後に座談会をしたことですね。それが貴重な経験でした。その後に積み上げて来たことを、今回の出演者にも伝えて行けたらなと思います。今年の公演を観劇した方が、自分もこれを語り継ぐ人になりたいと、次の公演に参加してくれるように頑張りたいと思います。」


テーマパークでミュージカルの舞台に立っている他、こどもちゃれんじ「しまじろう」の歌のお姉さんや、ミュージカルの舞台で活躍する村上桃子さん。3度目のみち役出演です。

村上桃子
「みち役は3度目となり、彼女と共に夏を迎えることが楽しみになっています。被爆地の長崎で育ちましたので、戦争は他人事ではないと感じながら生きて来ました。戦後70年ということで、より強い思いを持って臨もうと思います。「ひめゆり」は、毎年学徒のメンバーが変わることで、芝居が全然変わり、毎回違う発見があります。私は、みちを自分のまんまで作っているんですけど、明るくて芯のある女の子じゃないかなと思っています。みんなそれぞれに個性がありますので、学徒会議をして、それぞれのキャラを理解したうえで、舞台上でお芝居することが楽しみです。また、ダブルキャストの違いも、面白いところだと思います。私たちの世代が、しっかりと後世に伝えられるよう、稽古に励みたいと思います。」


村上桃子さんとダブルキャストでみち役を演じる織野友貴さん。大坂芸術大学を経て無名塾へ。「マクベス」「友達」などの舞台に立ちました。演技力に秀でた人です。「ひめゆり」は、おととしのヒサ役以来、2度目の出演となります。

織野友貴
「初出演だった前回よりも、作品全体を見られるというか、いい意味で冷静に稽古に取り組めているかなと思います。前回は、私は必死すぎたというか、周りが見えてなかった。今回の方が、学徒同士のコミュニケーションも、早い段階からうまくいっているかなと思います。前回、観てくださったお客様が、一年経っても「あれはよかった」と言ってくださるので、もう一回出たいなと、ずっと思っていたんですけど、今年2月、「マザー・テレサ 愛のうた」に参加した時に、すごく楽しくお稽古が出来て、その中で自分自身の成長も感じられた気がしたので、今の自分だったら、前回参加させていただいた時より、いい仕事が出来るかなと思えたので、もう一回挑戦しようと思いました。この作品は、悲惨な部分が多いですけど、そればかりじゃなくて、今、生きていることの有り難みや大切さを改めて感じさせてくれる気がしています。観終わった時に、前向きに生きていく力を感じていただけたらと思います。」


神谷先生役を演じる奈良坂潤紀さん。13年前に「ひめゆり」で初舞台。その後劇団四季に7年半在籍し、「ライオンキング」1,000回出演などの実績を重ね、現在はミュージカルを中心に様々な舞台で活躍中です。

奈良坂潤紀
「戦後70年ということもあり、今回、一週間ほど沖縄に行って、戦跡を回り、現地の方のお話を聞いて来ました。まだ現地には、生々しい戦争の跡が、いたるところに残っていました。その環境、空気、音、臭い。一番感じたのは、自分の想像力が、全然足りていなかったということです。もっともっとリアルに演じて行かないと、70年前のあの戦争は、伝えて行けないと思いました。今回は、初参加の方が増えているので、自分が感じて来たことを、もう一度学徒のみんなに伝えて、リアルな芝居づくりをしたいと思います。自分にとって、13年前、本田美奈子さんが主演なさっていた「ひめゆり」という演目は、演劇人としての原点であり、大きな存在です。一年でも長く、この作品が続くよう、昔、先輩に教わったことを、しっかりと後輩たちに伝えて行きたいと思っています。」


「沖縄の悲劇」を歌う 陸軍病院に危機が迫る

本土の捨て石となり、悲惨な地上戦に巻き込まれた沖縄。「支配され利用され見捨てられた沖縄 悲しみの炎に包まれた島々」そんな歌詞を歌う「ひめゆり」の稽古中、戦後70年の沖縄慰霊の日を迎えました。沖縄の悲劇が、二度と繰り返しませんように。鎮魂と、未来の平和を願い、祈る日です。

Category: ひめゆり | 2015.06.02

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